2015年02月15日

「リヴァイ班追悼」

チラリと視界の片隅に映ったエレンは半身こちらに向いて振り返ってるように見えた。
(早く行け)
エルドは頭の隅で思いながら目は前方の女型の巨人を見据える。慎重に素早く近付いて狙いを定めた。自分達はリヴァイ兵長から任された身、使命を果たすことに躊躇いはない。剣をかざし更に接近した。が、次の瞬間・・・・・・・・視界は暗闇に包まれた。

悲鳴をかろうじて飲み込み、得たいの知れない不安感を押し殺して、ペトラは沸き起こる疑問だけを投げつけた。
「そんな、なんでよ?!まだ20秒も経ってない!!・・・・・・・・まさか・・・・片目だけ優先した?!」
そんなことが出来る相手だと気づいた瞬間、背中を冷たいものが走った。明らかに、相手は只者じゃなかった! 改めて思ったけれど、でももう遅い。オルオの叫びがひどく遠くから聞こえる。
(あ?! ダメよエレン来ちゃダメ・・・・・・・・)
視界に小さく、こちらに向かいかけてる姿を認める。だけどもう、思ったことを声に出す余裕は無かった。

バラバラに砕け散るブレードに絶望を感じる。それでもリヴァイ班として、残った最後の一人だから。オルオは再度、刃を手にしようとした。だが、女型の巨人の一蹴は速かった。
(ヤベえ来るなエレン・・・・・・・・)
いまわの際に映った光景は、木々の間を縫って戻ってくる『後輩』。コイツまじヤバいぞ!と伝えようとしたが、言葉にならないまま消えた。

涙のしずくが宙を舞い樹々の間をこぼれ落ちる。
「こいつを殺す」
ほんの数分の出来事だった。ほんの数分前まで、今までと同じに喋っていた。押し問答したり笑っていたりした。その人達が、たった数分で一人の巨人に蹂躙された。
「オレが選択を間違えたせいで!!」
巨人になっても涙は止まらない。沸き起こる苦しさのままにエレンは拳を振り上げた。







【進みます!!】
そう聞いた時、私達四人はすごく嬉しかった。誇りに思った。貴方に信頼されて嬉しかったよって、ちゃんと伝えておけば良かったかな。だからそんなに泣かないで。思うけれど、巨人になったキミには届かない。叩き落とす拳や蹴りの振動が空気を震わせる。






そんな顔しないで下さい。リヴァイ兵士長へ。
posted by 大空綾 at 18:08| Comment(0) | 書きもの(進撃)